• 狛江市議会議員 辻村ともこ

令和元年第2回定例会一般質問 ①教科書賄賂事件後の教科書採択について

最終更新: 2019年6月22日

令和元年第2回定例議会一般質問「教科書採択について」  辻村 ともこ 

2 教科書採択について

第一次安倍政権は戦後レジームからの脱却のスローガンのもと平成18年60年ぶりの教育基本法の改正を行いました。その後、教育委員会制度の改革にも着手し、教育現場における事件課題に対し迅速な対応また社会通念を反映させられるよう改善がなされました。

なぜ改善がなされたかと言うと、大津市のいじめ事件で露見した教育現場における非常勤の教育委員の仕事のあり方や、教育現場の社会通念から外れた隠蔽体質や、専門性の早期導入の必要性等を見直す改革であります。

その為、外部の目を入れ、また地域に即した教育行政を行うために総合教育会議が設置され、常勤の教育長が教育委員長を務めることとなった経緯があります。

本年は学習指導要領本改定後初の小学校教科書採択年です。

狛江市において首長が総合教育会議の議長として立たれたことの意味は、生かされるのか。

教育長は、狛江の子供たちのための教育目的を達成する教科書採択ができるのかが、問われています。

【質問:辻村】

  今年度、教科書採択が行われます。これまでの一般質問や特別委員会の中での教科書採択の課題に対する検討状況を含めご質問をさせて頂きます。まず、本年小学校教科書採択に関するスケジュールについてお伺いします。

【答弁:教育部長】

  教科書採択に係るスケジュールですが、教科書採択に関する規則・実施要綱等に基づき,対象となる教科書について詳細な調査研究を実施するため,教育委員会から教科書選定協議会に諮問を行い,同協議会では調査研究委員会・各学校からの調査報告,市民アンケートを元に答申を行うこととなっております。既に小・中学校ごとに教科書選定協議会を開催し、その下で調査研究委員会、教科別委員会を、さらに、学校ごとに調査研究を適宜開催しております。そして、6月14日より6月21日まで一般の方等へ向けた教科書展示を行い広くアンケートをいただく予定となっております。その後、調査研究員会等から上がってきた調査資料等をもとに教科書選定協議会を開催した後、教科書選定協議会から教育委員会へ答申を行うこととなっております。最終的に8月までに教育委員会において採択を予定しております。

【質問:辻村】

SNSなどの発信の対応は評価します。しかし全家庭数配布等、チラシでの周知等積極的な周知をご検討下さい。

さて、先ほど教科書選定協議会や調査研究委員会等、いくつかの段階を経て調査を行う旨の答弁がありました。様々な教科書があるかと思いますが、どのような視点でその調査研究を進めていくのかお伺いします。

【答弁:教育部長】

  まず、教科書採択につきましては、文部科学省の検定を通過した教科書について、その採択権者である各教育委員会が公正・公平に採択を行うものでございます。

  その上で、調査の実施においては,各種教育目標を達成するために,学習指導要領に即して教科書を活用するにあたり,各教科書にどのような工夫があるのか,特徴があるのか,教科書ごとの特徴が分かる選定資料を作成します。

【質問:辻村】

  教科書採択については、分かりやすい採択、開かれた採択が市民にとっても、子どもをもつ保護者としても大切なことではないかと考えています。答弁の中で学習指導要領に即して調査研究を行うとありましたが、狛江市には教育振興基本計画がございます。この中でも、教育活動を行う上での大切な取組、特色ある取組等も記載されております。そうしたことも踏まえて、本市の取組や特色、子どもたちの実態等も踏まえた視点での調査研究も必要ではないかと考えます。改めてそうしたことも含めて、もう少し具体的にどのような調査研究を行うのか伺います。

【答弁:教育部長】

  あくまでも一つの視点の例ではありますが、本市教育目標にあります「人格・人権の尊重」「地域や社会に貢献する意識」「郷土や国を愛する心」等につながる工夫・特徴があるか。また、教育課題としての「主体的・対話的で深い学び」につながる学習として、どのような特徴があるか。別の教育課題の具体例としては、法改正に伴い選挙年齢が引き下げられたことに関連して、主権者教育を各社どのように扱い、どのような特徴があるのか。さらに、地域に応じた身近な事例を活用した実感を伴う学習を行える部分があるか等,様々な視点での調査研究が考えられます。最終的に、各教科書の使いやすい部分,工夫している部分,特徴的なことを調査し,教育委員会へ答申をいたします。

【質問:辻村】

  それでは、別の角度で質問をいたします。一般の市民の方等への教科書展示会についてです。これまで、より多くの方に子どもたちが使う教科書がどのようなものかを見ていただく必要があるとの思いから、場所や時間等についても改善を求めてきたところであります。一般的に仕事している方等は、平日の昼間に閲覧することは難しい場合が多くあります。これまで、市民の方からもそうした意見をお伺いしていますが、今回の教科書採択における一般の方への教科書展示は、どのように行われるのか伺います。

【答弁:教育部長】

  今回の教科書採択における教科書展示は、6月14日(金)から6月27日(木)まで市内3箇所で行います。

  1箇所目は現在施設改修に伴い、一時移転しております教育研究所(駄倉地区センター2階)です。こちらは、土日を除く午前9時30分~午後5時30分。2箇所目は、中央公民館で3箇所目が西河原公民館です。中央公民館及び西河原公民館につきましては、いずれも休館日であります火曜日を除く、午前9時から午後9時30分までとなっております。数年前の教科書展示のときよりも夜の閲覧時間を設けさせていただく場所も増えました。

【質問:辻村】

  ご答弁ありがとうございます。要望していた展示時間延長について、に新たに、夜の時間をくわえた点は、これまで求めてきたことが、一定の改善をみたということはたいへん喜ばしいことです。今後、より多くの方に閲覧いたけることを期待しております。

次に、平成18年に教育基本法が改正され、平成27年度の一般質問教育長答弁においても、このようにお答えを頂いております。

「教育基本法第2条では、第1条の「教育の目的」を実現するため、今日重要と考えられる事柄を5つに整理し、「教育の目標」として規定しています。5つの重点ポイントの詳細としましては、① 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。 ② 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。 ④ 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。 ⑤ 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこととなっています。とご答弁を頂きました。

「豊かな情操と道徳心」、「自律の精神」、「職業および生活との関連性を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと」「正義と責任、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」や「伝統と文化を尊重する態度や我が国と郷土愛を愛する態度を養うこと」等、その重要性が強調されました。

  そこで、子どもたちに善悪の判断を身に付けさせることは必要なことだと考えるのですが、いわゆる善悪の判断ということについて、学校教育では、どのような指導が行われているのでしょうか。

【答弁:教育部長】

学校教育の中では、日常的によりよい社会の形成者として人格を磨くために、様々な取組を行っております。また、「特別の教科道徳」においては、特に、小学校の内容項目の中に「善悪の判断」がございます。これが善でこれが悪という単純な指導ではありませんが、子どもたちが主体的に考え議論する中で、道徳性の育成を図っているところです。

【質問:辻村】

  私は、狛江市の子どもたちにとってふさわしい教科書が選定されることを願っております。教科書については、市民の皆様は、真剣な御意見をお持ちです。

  そこで、市民の方々よりこのような意見がありました。

「狛江市教育委員会は、教科書賄賂事件の一番の主犯格の教科書会社を、多く採択しているって本当?狛江市の教育委員会や教職員の人たちは、賄賂事件などに絡んでないの?大丈夫なの?」

というご意見です。


(辻村意見)

配布資料をご覧ください。

教科書会社が公立小中学校の教員らに検定中の教科書を見せ謝礼を渡していた問題で、多くの教員がその後の採択にも関わっていました。これは、どんなに否定しても、教科書選定をめぐる教員の影響力を期待した「賄賂」としか言いようがありません。教科書採択制度をゆがめる不正です。文部科学省の検定のあり方と、もうひとつは、地域の教育委員会は事態を深刻に受け止め、再発防止を徹底すべきです。市民の方々からは、社会的な常識からいえば、一度不正を行った会社は、特に組織的な犯罪となれば、当然、一定期間の制裁はあるのが常識だと言っています。平成30年度予算特別委員会質疑においても、この教科書賄賂事件について質疑がなされ、都や市の入札業者が、賄賂やインサイダー取引などの不正を働いたケースでは、その業者は指名停止になる場合がある、とご答弁を頂いております。つまり、市役所が取引を許可する企業において、真面目に法やルールを守って働く企業は評価され、法やルールに背き、悪事を働いた企業は、一定期間、社会は許さないという、正義の観念がきちんと働いているという事の証左であります。もちろん度合いにもよりますが、反省期間を経て権利復活もあるようですので、都、市の入札制度は公平公正だと思います。

さて、教育委員会、教職員についてですが、配布資料にもありますように、謝礼問題は小中学校の教科書を発行する22社のうち12社が検定中の教科書を見せ、うち10社が3千~5万円の現金や図書カードなどを渡していたというものです。

 文科省の調査では、教育委員会に採択への影響を聞きましたが、その結果、謝礼を渡された教員ら約3400人のうち4人に1人が、教科書の特徴を教育委員会へ報告する調査員を務めるなどの形で関与していました。教科書採択に重大に関わっていました。それにもかかわらず、すべての教育委員会は「採択に影響がなかった」と結論づける報告書をあげました。積極的にその教科書を推すなどの発言が確認できなかったからだということですが、教科書調査員を中心に行われた賄賂事件で、この結果はあまりにも一般常識から外れていると言わざるを得ないのでは無いでしょうか。

 外部の介入を排するため、検定中の教科書を見せることは文科省の検定実施細則で禁じられています。これは、狛江市の教育委員会でも同様だと確認を取っています。採択関係者に金品を贈るのは教科書協会のルールに反し、絶対に許されない悪質な不正です。謝礼次第で教科書が決まるのでは、教育への信用は失墜します。一方で、謝礼を受けた教員側のモラルや資質が問われるのは言うまでもありません。

配布資料をご覧ください。

教員らへの金品提供が最も多かったのは業界最大手の東京書籍で2245人。次いで大手の教育出版が1094人でした。この2社で全体の8割を超えています。

教科書市場は少子化に伴い、ピーク時の昭和33年に比べ約47%も減少しました。

そうした中、原則4年に1度の教科書採択でシェア(占有率)を落としたくない各社の営業は過熱傾向にあり、水面下で採択に影響力を持つ有力教員らに接近し、「意見聴取」の大義名分で囲い込みを図る流れは強まっているといわれています。

産経新聞の報道によると、実際、ある教科書会社幹部は「日ごろからアドバイスをもらっている先生方に検定中の教科書を見せるのはお礼の範囲であり、謝礼も当然」と漏らし、教員をつなぎ留めるためにはルール違反もやむを得ないとの考えを示唆していると、取材がありました。善悪を教える教育の場で、教育の指針たる教科書をつくる教科書会社が、不正を堂々と認める発言に驚きを禁じえません。また、全く令和時代に即せず、古い時代の感覚がまだ残っている教育、教科書業界に対し、不信感を持たざるを得ません。

別会社の幹部は「教科書内容はどこも大差はない。他社と差がつくのは営業力ぐらい」と言い切っているあきれた実態も明らかになりました。反省の気持ちなど欠片もないのが実情といえるでしょう。

一方で、教員側の規範意識の希薄さも懸念されます。教科書会社から声がかかるのは、有能な教員として一目置かれている証拠でもあり、「優越感をくすぐられて編集会議に参加する教員もいる」(教科書会社OB)。地元の教育委員会に届け出をしないまま、謝礼を受け取ったケースは少なくなく、既に三省堂の問題では関与した教員らが処分されています。

公教育、とくに教科書をめぐる汚職は徹底して断罪されなけば、再発防止はできないのではないでしょうか。教科書会社以上に再発防止の鍵を握るのは教員側の意識だであり、教育委員会、ひいては、総合教育会議の長である市長の感覚も大事ではないでしょうか。

厳しい受験戦争を勝ち抜く受験生のカンニングや裏口入学を厳しくとがめるならば、まず、文科省は教科書会社の汚職体質を改める事に従事し、また、そのようなことが起こったならば、採択地域の教科書採択では、採択地域にふさわしい教科書を選ぶことが出来るようになっているわけですから、是非、社会の秩序を守り、まっとうな経営をしている会社の教科書を選ぶべきではないかと思います。

不正を働いた教科書会社の内、最上位の会社は、2,245人に賄賂を渡しています。これは、狛江市役所で嘱託職員を含めた約650人の3倍以上ですよ。それだけ多くの社員に命令をし、賄賂を配り、不正を組織的に働いた企業です。

市民感覚では、その教科書会社を教科書採択の対象会社に入れる事は、到底理解できません。おかしいですよ。

狛江市の教育にて、善悪を教えている、ということでしたので、是非、教科書謝礼問題を踏まえ、教科書採択における教科書会社との癒着断ち公正な採択守るため、隗より始めて頂きたいというのが、一般の市民感覚だと思います。

真面目に生きると良いことがある、という日本の伝統的な考え方を否定する、悪いことをしても、おとがめなしという教育現場があるならば、そこで立派な人間を育成できるとは思えません。大人が、悪いことをしても、そのまま文科省など誰かのせいにして、放任するという、今回の教科書採択のあり方には、納得できません。

私の8年間の調査の中では、「教科書採択は、難しい問題。」という声もお聞きします。

何が難しのでしょうか。何が闇なのですか?

そうした教育界の闇を改めるために、新教育長制度が誕生し、地域に即した社会通念を反映させる総合教育会議が出来たのではないのですか?

是非、今こそ、どの会社でも、不正を働いたのであれば、不正に染まった教科書子供達へ配布する事は、狛江市の教育目標にかなっているのか、今一度、勇気をだして考えて頂きたいと思います。

宜しくお願い申し上げます。

参考資料 出典:産経新聞他

【質問:辻村】

今回、こうして質問をさせていただいていますが、こうした議会での市民の声ややりとり内容は、教育委員会等で御報告をされるのでしょうか。

【答弁:教育部長】

  議会で質問や御意見をいただいたことにつきましては、この件に限らず、教育委員会定例会にて議会報告として、報告をしております。

追加質問1

平成27年度第3回定例会私の教科書採択に関する一般質問において、有馬教育長へ、このような質問をさせて頂きました。

【辻村質問】

「教科書採択理由は提出義務規定ではないですが、努力義務として、文部科学省より、発表を推奨する通達文が出ていると思います。

狛江市では、教科書採択理由の開示はないのでしょうか。

採択理由書は、あった方が、明確に理由がわかると思いますが、教育長のお考えをお尋ねします。

【答弁(教育長)】

平成28年度使用教科書採択につきましては、平成27年4月7日付け「平成28年度使用教科書の採択について(通知)」において、文部科学省初等中等教育局長から通知がありました。その中で文部科学省は「教科書の採択に関する情報の積極的な公表」を求めており、市教育委員会では本通知及び「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第15条の趣旨に添うよう、採択教科用図書の種類については、採択日当日に市HPに掲載しております。また、採択理由等について論議している教育委員会の議事録や、調査研究委員等が協議・調査を行っている会議録の他、教科書の採択に関する情報については、準備が整い次第、情報開示請求等に適切に対応できるよう準備を整えております。

そこで、私は、辻村意見として

おっしゃる通り、窓口で情報公開請求で資料を取得すると、このように約500枚を超えます。まだ出てくるそうですが、このような状態ではなく、最後の教科書を採択した理由を、何かしら市民に分かりやすく一枚にまとめるなど工夫して理由書がつくれないか、検討をお願い致します。

と申し上げました。皆さんも、教科書採択の選定理由を知りたいと思った時に、500枚もの情報公開請求をしなければならないのは、大変だと思いませんか。ですので、せめて、教科書採択において、選定理由の箇条書きでも良いのですので、どのような理由で採択をされたのか、わかるようにして頂きたいとお願いを、4年前に議場にて、行っておりました。

先般の教科書採択汚職事件などが起こった後ですので、当然、狛江市教育振興基本計画にどのように沿っているのか、どのように採択をされたのかは、誰にでもわかりやすく公開されるべきといった、私の4年前の提案は、ご検討いただいていると思いますが、検討状況をお伺いします。簡潔にお答えください。

【教育長答弁】

① 見本本の規定通りに、教育委員へは発送している。その後きちんと採択をしているつもりだ。

② 教科書採択採択結果の公表については、国から義務化されていない。狛江市では、教科書採択当日に、公開採択を見てもらうものと思っている。箇条書きは法的に規定されていない。総合教育会議で議論必要。

【辻村追加質問】

では、教科書採択のインターネット中継はありますか。


【教育部長】

 まだありません。


【辻村追加質問】

これで開かれているのでしょうか。

それでは、もし狛江市で教科書採択の理由が知りたい場合は、教科書採択日に、その場所に行き全速記する以外、無いのでしょうか。

もしくは、500枚以上の情報公開請求など、現実的ではないと思います。開かれた議会のために、まとめの公開やビデオ中継はやるべきだと思います。

ご検討を強くお願いします。

【最後に辻村意見】

採択方法についても、検討課題をお伝えしました。4年前にも、様々の教科書の問題点を検証して来ましたたが、次代を担う子供たちに、「改正教育基本法」、「新学習指導要領」「狛江の教育目標」に則った教科書を届けるために、より適切な採択環境整備が図られるよう改善すべきは改善し、その検証を必ずして頂ける様にとお願いをして参りました。

来年は、新しい学習指導要領になり初めての中学校教科書採択年です。

社会通念に則り、子供の手本となる大人が、教員がまずは物事の善悪を法治国家での自浄作用を働かせながら、地域に合った教科書採択をお願いしたいと存じます。本質疑において、複数ご指摘をさせて頂きました改善がまだなされていない点においては、必ず改善をして頂けます様、よろしくお願い申し上げます。        以上

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